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21世紀に生きる君たちへーー 優しさの難しさ [フランスビール]

 優しさ、、、こんな簡単なものはない、、、、なんてかつて思っておりました。優しさは簡単だけど、男らしさは難しい、、、だから男選ぶなら優しさよりも男らしさを、、なんてわかったようなセリフを若い女性相手に吐いたことも何度もあります。

 ところが最近の子供のいじめ事件、大人の虐待や殺人事件、優しさが足りない、、本当の優しさをいま誰も子供に教えることが出来ないんじゃあないでしょうか。

  きょう、自分でも優しさが足りないなぁと後で反省する事がありました。やや年配の患者さんが、何度も何度も前回の診察で話した事をほぼ完璧に守らず、皮疹を悪くして来院されました。どうも、今まで自分が信じてきたちょっといびつな医学の常識、周囲の人たちのいろんなアドバイスが原因のようです。思わず少し患者さんを叱責し、考えようによっては嫌みに取れるような言葉をはいたかもしれません。医者を25年もやってるのにまだまだ修行が足りません。

 何年か前のことです。ひたすら感心したDrの言葉が有ります。もう亡くなったかつてのNHK女性アナウンサーKさんが癌と診断されたのに、まともに医者の言うことも聞かず何年かも自分で聞きかじった民間療法に頼って、手の施しようもないほど進行してから、どうしようもなくなり結局病院に受診されたときの事です。

 きっとKさんは自分の中では不安でつぶれそうに成りながら病院の門をくぐられたのだと思います。今頃のこのこ病院へ受診しても、まともに相手してもらえないんじゃないか、勝手に民間療法やっててDrに叱られるんじゃないか、、、。事実僕がこのニュースを聞いたときも、今まで何やってたんだ、今頃病院いってももう遅いでしょうに、、などと感じたように思います。ところがKさんが受診された病院の先生は、「我慢しちゃったんですね。我慢強いんですね。でも、もう我慢しなくていいですからね。。」。こんなセリフ、なかなか出てきません、多くの医師は「どうしてもっと早く来なかったんですか、、」と結果的に患者さんの不安に追い打ちをかけるようなことを言ってしまいそう。Kさん、この一言を聞いて安心して、身体の力が抜けたそうです。この先生はとってつけた優しさでなく、訓練した優しさをお持ちだと思いました。それ以来、この先生のような優しさを診察では常に持ち続けようと心構えだけはありますが、まだ訓練が足りません。

 司馬遼太郎さんが中学の教科書用に書かれた文章があります。

「21世紀に生きる君たちへ」、この中で司馬遼太郎さんが子供たちに言いたいことは、他人に優しく、自分に厳しい自己の確立。  そして、優しさは本能では決してない、だから訓練して身につけなければならない。それは難しいことではない。

 この文を先生も子供たちもしっかり勉強して、理解できればいじめや自殺も姿を消すかもしれないのに、、、と思いますが、子供の前に先ず大人がこの文章をかみ砕いて、優しさを身につける訓練が必要でしょう。

  評論家としていまマスコミの寵児のようなM氏が、先日テレビでいじめ問題が話題の時に、「優しさは天性のものではない、でも他人をいじめたいという思いは天性のものである」といっておられました。

 やはり、優しさを訓練で身につけねば。。

 きょうの自分の反省すべき態度、近頃のいじめ問題、そして、きょう新たにわかった母親の犯罪、、、、マスコミを騒がしている腎臓移植問題だって全く無関係ではないでしょう。

 ふと、優しさについて 考えてみました。

 で、今夜のビールは スタルク1664 

フランスのプレミアムピルスナービール

ビールでも飲みながらゆっくり優しさを身につけましょう(^_^)

 

 

 


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コメント 10

さねさし

とってもいいお話でした 書の指導の時に やさしく やさしくを心がけておりますが それで上手になっていく人と 逆の人もあって 同じ優しさも 相手によって優しさも違ってきますね 難しいです
by さねさし (2006-11-16 08:32) 

こんなビールみたことないです オシャレですね
一瞬シャンプーボトルかと思ってしまいました(笑)
by (2006-11-18 10:17) 

aranjues

 sanesasiさんへ
 ほんとにそうですね。教えるということは厳しさも必要ですが、ベースに優しさを持ち続けることが大切でしょうね。なかなか実践できませんが。
 書もピアノもまだ日々教えていただいておりますが、大人も子供も教えられる身は同じで、厳しすげれば嫌になり、優しさだけでは手抜きしてばかりで進歩しません(^_^;)
by aranjues (2006-11-19 11:51) 

aranjues

 カイトさんへ
 コメント有り難うございます。
 ボトルはおしゃれですが、味は、、、でした(笑)。
by aranjues (2006-11-19 11:53) 

churin

身にしみました。感情的になって人にきつく接してしまった度に
後で自己嫌悪に陥ること多々^^;
優しさとは、自ら心がけねば身に付かないこと、そのこと
肝に銘じたいと思います。
by churin (2006-11-21 18:57) 

aranjues

churinさんへ
 そうなんですね。優しさはそうあろうと心がけなければ砂上の楼閣なんですね。根っから優しい女性になってくださいね。
by aranjues (2006-11-22 00:01) 

こんにちは・・・勤労感謝の日の午後・・・のんびりしています。
最初の話はなんとなく記憶しています。
優しさの話、納得です。
優しさは幼い頃から受けて育たないと他人にも優しくはできないのでしょうね。
今までたくさんの方々に優しさをもらい、助けてもらいました。・・・その方々に直接の恩は返せないけれど、恩を別の人に移すことは可能です。
世界が優しさの連鎖に包まれたら、いいな~~~と思うのだけど。
優しさは連鎖もしにくいようです。
by (2006-11-23 15:06) 

aranjues

  こぎんさんへ
優しさが連鎖すれば戦争も無くなるでしょうにね。
 「情けは人のためならず」、長らく正しい意味を理解せずにいて本来の意味を知って感嘆したんですが、優しさと情けは違うかもしれないけど、みんなこの精神で行けばいいのになぁ、、と思っています。
 コメント有り難うございました。
by aranjues (2006-11-26 14:23) 

ひょう

優しさの連鎖、と聞いて映画「ペイ・フォワード」を思い出しました。

こんな優しいお医者様がいらしたら、通いたいです。
技量と人徳の備わった「お医者様」って、本当に少ないです。
by ひょう (2006-11-27 02:05) 

aranjues

 ひょうさんへ
 ペイ・フォワード、、観たこと有りません。機会があったらレンタルして観てみますね。
 それにしても、ペイ・バックでさえ欠如する世の中、ペイ・フォワードが広がれば世の中一変するのでしょうが、、。
 
 技量はそこそこですよ、、人徳はねぇ、、(^_^;)。
by aranjues (2006-11-27 22:59) 

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